本とともに生きる

加古川読書倶楽部の活動とメンバーによる雑なブログです。

わたしが正義について語るなら

「傷つくことなしに正義は行えない。」

正義という言葉を聞いて、それが何なのかを簡単に答えることは難しい。


アンパンマンの生みの親、やなせたかしさんは戦争や貧しい時代を経験して未来のことを考えてきました。

今日、紛争や環境問題、政治、不安定な経済、様々な怒りの気持ちになることが多いです。
そんな中、やなせさんがやなせさんのスタイルで本当の正義とは何なのかを語っているのがこの本です。

やなせさんは小さい時から裕福ではなく、また、とびぬけた秀才というわけでもなかったそうです。
そんなやなせさんですが、イラストや絵を描く仕事を通じて何かを発信し続けようとしていました。
普段見るような絵の質を上げることや、アニメを単に面白いだけで終わらせるのではなく、そこにメッセージを込めるよう意識したそうです。

アンパンマンは、主人公そのものに絶対的ヒロイズムをおかないで、他のキャラクターがいることで輝いている存在にしているそうです。
また、ばい菌マンのようなキャラクターがいるからこそアンパンマンがいる、美しいものには一瞬のものと永続的なものがある、等世の中における二面性についても言及しておりました。

自分なりのやりかたで、社会へメッセージを発し続けたやなせさんの生き方は、アンパンのマーチに集約されている。そんな気がしました。


自分のしていることが自分の想いとあっているか。
想いや行動が先走っていないか。

ふとした時に、落ち着いて考えれる本です。